響焰俳句会

ふたりごころ

活動報告
響焰の行事の報告等を掲載しています。

活動報告

第57回ネット句会(2025年2月) 報告者:小澤 悠人

**俳句は季語が主役**

参加者32名、投句数64句、2月1日投句、2月7日選句。

 今回、山崎名誉主宰の最後の選となったことをご報告いたします。山崎先生からの最後の総評として「みんなうまくなったね」とのお言葉を頂戴致しました。3月からは、新たな選者の体制で進みますのでよろしくお願い致します。
 さて、俳句・短歌と日本の「座の文学」として並び称されるものがある。同じ五七五の音の川柳を加えても、「季語」という明確な季節感を入れなければならないのは俳句のみだ。  
 そもそも、俳句の発端は、連歌の発句にある。座を囲み詠み合う連歌の発句が、俳句として独立するようになった。そのことからしても、俳句は季節の挨拶であり、季語がその主役になっていなければならない。特別選者の特選句を見ても明白と思う。 

第56回ネット句会(2025年1月) 報告者:小澤 悠人

**ネット句会の今後**

参加者31名、投句数62句、1月1日投句、1月7日選句。

 今回は、主宰と特別選者のみの選句となった。ネット句会は当初より、3名の選者で開催されてきた。今回は山崎先生の体調により2名の選者になってしまった。参加者も残念に思われたことと思う。
 ネット句会の選者、3名に馴染んでいたので、今回、致し方ないことでありながら、司会者としても残念に感じた。一応今後のことは相談させて頂いているので、引き続きよろしくお願い致します。  

第55回ネット句会(2024年12月) 報告者:小澤 悠人

**個性の発揮**

参加者32名、投句数64句、12月1日投句、12月7日選句。

 今回の名誉主宰・主宰・特別選者の特選句を見返してみると、リアリティを感じさせる一句あり、独創性の高い一句あり・・・それぞれの個性が活かされている俳句が並んだと思う。
 現実の写生で景を伝える際、視覚だけでなく、嗅覚・聴覚など、五感の何か別のものを働かせることでリアリティが高まる。独創性の発想では、読者により認識されやすい平易なものと季語との取り合わせが良いと思った。  

第54回ネット句会(2024年11月) 報告者:小澤 悠人

**公的俳句と私的俳句**

参加者31名、投句数62句、11月1日投句、11月7日選句。

 私的なことを書かせて頂く。個人のブログで超結社の句会をやっているのだが、その中に二種類の俳句があるのを感じるときがある。「公的なもの」と「私的なもの」である
 前者は、句会に提出したり、新聞・俳誌に掲載されるべく投句されるもの、後者は個人的な日記として記されるべきものである。今回、自分の投句した句は一票も入らなかったのであるが、これはごく私的な俳句だったからだと思う。  
 妻が義母と友人達と旅行に出掛けた夜、愛犬が散歩の途中、横断歩道ではねられて死んだ。そんな話を旅行中の人に知らせては旅行自体が台無しになる。それで私は、メールが来る度に「眠っているよ」「大人しく待っているよ」と返信していた。その間の投句でもあり、ごく私的なことになってしまった。言葉を昇華させる余裕もなかった。公的に提出する句は明るい句がいい。そんなことを改めて感じた。 

第53回ネット句会(2024年10月) 報告者:小澤 悠人

**オリジナリティのある言葉**

参加者30名、投句数60句、10月1日投句、10月7日選句。

 今月の名誉主宰・主宰・特別選者の3名の特選を獲得した石井昭子さん、おめでとうございます。
 さて、その句を含め、個性の光る言葉を見つけた句が特選に入っていたように思う。結社の句会での「あるある」だが、句会で特選を頂いた句などに感化されて、同じ言葉、類似表現を使ってしまうことがある。こんなときは自分の詠んだ句を今一度見返して、自分の言葉が他人の模倣になっていないか、自分が詠んだ景が自分自身はっきりと見えているか、そこにオリジナリティがあるか・・・ということを再考するのがよいだろう。そんなことを確かめるべきだと学ばせて頂いたように思う。  

第52回ネット句会(2024年9月) 報告者:小澤 悠人

**俳句は絵葉書ではないということ**

参加者31名、投句数62句、9月1日投句、9月7日選句。

 今月の名誉主宰・主宰・特別選者の特選句では、それぞれの個性の光る言葉を見つけることが出来た。以前に知り合った俳人の講義で、俳句は絵葉書であってはならない・・・という話を聞いた。綺麗な景を切り取るだけでは、単なる「絵葉書」で終わってしまう。そこには綺麗ではあるが、感動とはまた違う一景で終わってしまう。作者の個性が見えることで、読者は俳句の景や奥行き共感できるのだ。作者と読者の間に共感できて重なる部分が見えることで俳句となるのである。  

第51回ネット句会(2024年8月) 報告者:小澤 悠人

**言葉の奥行き**

参加者31名、投句数62句、8月1日投句、8月7日選句。

 今月の名誉主宰・主宰・特別選者の特選句を見返して、それぞれの句には、言葉に奥行きがあると思った。アンニュイな感覚だったり、炎天の暑さの先にある感覚・・・。そういうところをうまく捉えているのだ。絵画で言えば、背景をどう塗るかというところだろう。陰影にするのか、わざと余白の白さによって描く対象を引き立たせるか・・・俳人の場合、そこは言葉の選択に依るのだが・・・。描く対象に対してどんな背景が合うのか・・・そんなところを考えさせられた。蓮尾碩才さんからこのコーナーを引き継いで一年余、だんだん書くことがなくなってくるぞと言われたのを昨日のように思い出しつつ、何かを見つけようともがいている。  

第50回ネット句会(2024年7月) 報告者:小澤 悠人

**視点の転換**

参加者31名、投句数62句、7月1日投句、7月7日選句。

 今月の名誉主宰・主宰・特別選者の特選句を見返して、視点の転換ということを思った。季語を見つめ観察し、そこから視点・観点をどちらに向かわせるか・・・そういうポイントをしっかり押さえている句が特選となっていると思う。一景から視点を季語に移すことで広がりが見えたり、季語から不意に自己の観点・感性に転換することで一句が引き立つ・・・こういう技術を意識して習得することが自身の俳句の成長に繋がるのだと思った  

第49回ネット句会(2024年6月) 報告者:小澤 悠人

**今を点で詠む**

参加者30名、投句数60句、6月1日投句、6月7日選句。

 今月の名誉主宰・主宰・特別選者の特選句を見返して、今を点で詠むということの大切さを想起させられた。対象をひとまとめに詠おうとすると雑然としてしまうが、一点に絞って詠うと、句の背景や発端、経過も連想できる。こうした広がりのあう俳句が詠めたらと思うのだが、その辺がなかなか上手くいかない。感じたことを思い返しつつ牛歩ながらも前進できればと思う。

第48回ネット句会(2024年5月) 報告者:小澤 悠人

**実体験に基づく言葉**

参加者31名、投句数64句、5月1日投句、5月7日選句。

 今月の名誉主宰・主宰・特別選者の特選句を改めて見返して、実体験から導き出した言葉に勝るものはないことに気付かされた。いつもの生活の中で感じていること、出会いや別れなど人生の節目の出来事など、体験したものほど言葉の質が高くなると思う。あとは、それをどの角度(目線)から詠み、それにふさわしい季語で着地させるか・・・。そんなことを感じさせられた。