響焰俳句会

ふたりごころ

響焰2024年月11号より

響焰2024年月11号より

【山崎名誉主宰の俳句】縦書きはこちら→ MeiyoShusai_Haiku_202411

風が吹く    山崎 聰

ガタピシと路面電車を春の暁け
東京に住んで十年柿若葉
もうすこし待ってと云って夏の夜
朝顔の青を見て過ぎふたりっ子
かけ足で季節がうつりもう八月
もうすこし寝ていたいけど蟬が鳴く
東京はひと日風吹き夏おわる
秋さるやよもすがら鶏鳴きやまず
きのうきょう秋の夜長というべかり
秋耕の一日おわり風が吹く

 

 

【米田主宰の俳句】縦書きはこちら→Shusai_Haiku_202411

充 電 中      米田 規子

秋近し精進揚げの色とりどり
あこがれの旅はみちのく月明り
虫の秋電気自動車充電中
大花野失くしたことば落ちている
回復の兆し青紫蘇の実をしごき
秋の風眉にやさしきカーブあり
「熱情」の楽譜に手擦れ月の雨
たくさん咲いて露草の青さびし
あたたかいまなざしのなか秋薔薇
今日を生き明日のいのち吾亦紅

 

【山崎名誉主宰の選】

<火炎集>響焔2024年8月号より

若葉風神保町で降りようか        加藤千恵子
人間にでこぼこ薔薇の散ってより     松村 五月
麦藁帽子分別くさき顔をして       大見 充子
パタパタと魚偏の旗こどもの日      蓮尾碩才
少し濃くなりカーネーションの終るとき  和田 璋子
家(うち)の人何処へ行ったか街薄暑   山口美恵子
晩年のだらだら坂をしじみ蝶       鈴木 瑩子
いつかひと召されなんじゃもんじゃの花  大竹 妙子
光とばす水切りの石風五月        藤巻 基子
真相と虚飾ごちゃ混ぜ走り梅雨      小澤 悠人

 

【米田主宰の選】

<火炎集>響焔2024年8月号より

桐の花散り天上を遠くする        加藤千恵子
黄金週間小さき駅からはじまりぬ     中村 克子
呆然と今見つめて花筏          蓮尾 碩才
どこを切ってもほほえみ返す春キャベツ  和田 璋子
はつなつの群衆ゆっくり動く東京     河津 智子
二の腕に疱瘡のあと夏来る        佐々木輝美
薫風や猫と老人そのあとから       小林マリ子
おじいちゃんと遊ぶ日と決め半ズボン   廣川やよい
裏山を向く椅子一つ春深し        石谷かずよ
荷をほどき新しい今日柿若葉       北尾 節子

【米田規子選】

<白灯対談より>

ミサ曲の天にまっすぐ立葵        長谷川レイ子
紙のような白い風吹く秋の朝       増澤由紀子
青田波一点動き一両車          原田 峯子
百日紅尼僧の真白きうなじかな      酒井 介山
夕暮れの虹は絵本に戻りけり       牧野 良子
軽トラの荷台空っぽ喜雨来る       菊地 久子
西瓜切る元気がないというだけで     金子 良子
枯れ枝の屋根を打つ音良夜かな      中野 朱夏
すたすたと男の下山蟬時雨        鷹取かんな
飛び乗ってバイクのうしろ夏休み     伴  恵子
コスモスの空青春は今ここに       朝日 さき
ゆっくりと眺める画集夜の秋       辻  哲子
父の手の大きく厚く八月尽        原  啓子
大残暑何も言わない郵便夫        山田 一郎
浅漬の水茄子うまし今日も晴れ      櫻田 弘美
どっと降りる台風一過の新幹線      岩井 糸子
墨画展飛び出してくる夏の蝶       野崎 幾代

 

【白灯対談の一部】

 ミサ曲の天にまっすぐ立葵       長谷川レイ子
 〝ミサ曲〟と〝立葵〟の取り合わせが異色でとても新鮮に思えた。天に向かって次々と咲きのぼる〝立葵〟は真夏の強い日射しにも負けず、華やかな花びらを開いて風に揺れる。一方、カトリックの教会で歌われるミサ曲はその声が一本の棒のように響き、教会を突き抜けて天上世界にまで届くような気がするのだ。中七〝天にまっすぐ〟の措辞はミサ曲にも立葵にも関わっているが、〝ミサ曲の天にまっすぐ〟で切って鑑賞した。ミサ曲の荘厳な響きと太陽を恋うように咲く立葵。作者の心の中で何かがビビッと来た瞬間に生まれた句ではないだろうか。

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