響焰俳句会

ふたりごころ

響焰2024年7月号より

響焰2024年7月号より

【山崎名誉主宰の俳句】縦書きはこちら→ MeiyoShusai_Haiku_202407

春から秋へ     山崎 聰

東京の街のいろいろ梅薫る
鬼がわらう節分の豆喰らうとき
梅香る大雨の日も晴れの日も
東京の梅桃さくらそして柳
すこしくらくなりたる庭のヒヤシンス
春の長い一日きょうからは幼稚園
いよみかん甘平西の窓に鳥
関東の隅っこにおりほととぎす
雛芥子のようなる男海青し
秋の陽沈むライオンの檻の前

 

【米田主宰の俳句】縦書きはこちら→Shusai_Haiku_202407

松 の 芯       米田 規子

バランスの崩れかけたる赤い薔薇
耳の奥に母のうたごえ夕朧
東京や薄日うす雲松の芯
憲法記念日ステーキのウェルダン
混沌のゆくえむんむんと緋の躑躅
五月闇シャボンの泡に顔うずめ
葉桜や不安かき消す風の径
ボサノバのリズムに乗って街薄暑
夏はじめ歩幅の位置に石ならび
万緑のすとんと水面亀と亀

 

【山崎名誉主宰の選】

<火炎集>響焔2024年4月号より

霊峰の雪を陽が染め朝の粥        和田 浩一
枯野から帰ってみたら枯野中       渡辺  澄
寒月光猫が背伸びしふくらめり      和田 璋子
一月や雀のほかはいつもの鳥       秋山ひろ子
年ばかり取ってときどき亀鳴いて     河津 智子
眼を合わすつもりはないが冬鴉      佐々木輝美
さりながら雪しんしんと雪の宿      石井 昭子
余生まだ未然形なり風信子        中野 充子
雪が降る深き眠りのその上に       藤巻 基子
テーブルに朱欒がひとつ発光す      鹿兒嶋俊之

 

【米田主宰の選】

<火炎集>響焔2024年4月号より

古書店の昏き匂ひも淑気なり       石倉 夏生
杖もまた倒れ易くて裸の木        渡辺  澄
晩節はいつもどこかが雪もよい      中村 克子
曖昧な平和に浸り去年今年        蓮尾 碩才
思い出というには重く寒雀        河村 良子
父の忌のいつもどこかに石蕗の花     北島 洋子
四日はや一人の時間かすていら      小川トシ子
長き死後米磨ぐ春の雨や風        吉本のぶこ
初夢やおおぞらをゆくベビーカー     大竹 妙子
初御空こころの声を聴きにけり      小澤 悠人

 

【米田規子選】

<白灯対談より>

清明やひと雨ごとに光る山        増澤由紀子
異国語の飛び交う銀座花疲れ       牧野 良子
虫が虫ほふる真夏の花菜畑        酒井 介山
放棄地に獣のけはい春の月        鷹取かんな
種を蒔くはなしの続きするように     菊地 久子
歳時記の季語あふれ出す目借時      伴  恵子
杖ついて花の盛りを城址かな       櫻田 弘美
春祭背すじのばせと太鼓鳴る       中野 朱夏
永き日の老人の吹くハーモニカ      横田恵美子
憧れのセーラー服と朝桜         原  啓子
曇天もまた優しかり花筏         加藤  筍
犬と猫枕は一つ朝寝かな         山田 一郎
花の昼越中富山の薬売り         原田 峯子
プリーツの裾にアイロン四月来る     金子 良子
この先は運河に沿いて花の雲       辻  哲子
ひこばえや生きる活路の平常心      長谷川レイ子
如才ない妹のいて告天子         朝日 さき
藤揺れて白とむらさき大人の色      岩井 糸子

 

【白灯対談の一部】

 清明やひと雨ごとに光る山        増澤由紀子
 〝ひと雨ごとに光る山〟というフレーズに、先ず心を摑まれた。すがすがしいだけでなく大変力強く、読者の眼前にその景が広がるようだ。この句から大自然の息吹きが感じられ揺るぎない一句となった。
 掲句は〝清明や〟と〝や〟切れになっているが、意味の上でははっきり切れていないので「清明の」と表わしても良いと思う。しかし、原句どおりに〝清明や…〟と一句を声に出して読んでみると、それは音楽のように美しいのだ。

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