響焰俳句会

ふたりごころ

活動報告
響焰の行事の報告等を掲載しています。

活動報告

第13回ネット句会(2021年6月) 報告者:蓮尾 碩才

**云えている**

参加者39名、投句数78句、6月1日投句、6月7日選句。

 今月の山崎名誉主宰の特選句の句評に「云えている」とありました。
 俳句を作る時に、俳句になる対象を全部表現するのではなくほんの一部だけを取り出すことが求められます。山崎先生は「俳句に出すときは、その中のごく一部、ほんのすこしだけをさりげなく云う。云わなかった思いや言葉は、必ず云ったことの行間に滲んでいるものだと思う。たくさん考えてすこしだけ云う。俳句という詩の強さはこのへんにあるのではないか。」(『続シマフクロウによろしく』より引用)と述べています。
 行間の滲みを生かして俳句を作ることはなかなか難しいものです。

第12回ネット句会(2021年5月) 報告者:蓮尾 碩才

**読みやすい句**

参加者39名、投句数78句、5月1日投句、5月7日選句。

 山崎先生の句評に「すっきりと読める句」とあります。俳句は作者と読み手が共鳴しあう文芸と言われていますが、俳句を読む時の注意点として先生は次の五点を挙げています。
 「(1)どういうことを云おうとしているか、(2)十分に云えているか、(3)詩情は十分か、(4)正しい韻文になっているか、(5)俳句で云って面白いことか」(『シマフクロウによろしく』から引用)。作者の意図を伝えることはなかなか難しいことです。

第11回ネット句会(2021年4月) 報告者:蓮尾 碩才

**季語が効く**

参加者36名、投句数72句、4月1日投句、4月7日選句。

 今月、山崎先生が特選句とした楡井さんの句の句評に「季語が効いている」との言葉がありました。
 季語について山崎先生は「季語が、とってつけたように、私はここにいますとばかり居据っている俳句は、概してつまらない。あとから季語の存在に気が付く、そういうさりげないのが好もしい」と『続シマフクロウによろしく』で述べています。歳時記に頼らず主体的に季語を見つけて使うことが必要と感じました。

第10回ネット句会(2021年3月) 報告者:蓮尾 碩才

**体言の文芸**

参加者37名、投句数74句、3月1日投句、3月7日選句。

 今月の山崎先生が特選句とした句の句評に「俳句は体言の文芸であることを痛感した」とありました。
 体言について先生は「極言すれば、俳句は体言の文学だと云ってよいのではないか。(中略) 用言、つまり動詞、形容詞などは、事柄を説明するためにある言葉である。だから一句の中に用言が多いと、どうしても全体が説明的になる。(中略) 体言、つまり名詞の切れ味を生かす。案外こんなところに俳句上達の秘訣があるかも知れぬ。(『シマフクロウによろしく』から引用)」と言っています。
 しかしただ名詞を脈絡もなく並べても当然俳句にはなりません。そこには何らかの言葉の関連性や適切な助詞の配置が必要になります。季語とあいまって切れ味の良い言葉探しはまだまだ続きます。

第9回ネット句会(2021年2月) 報告者:蓮尾 碩才

**上手い句**

参加者39名、投句数78句、2月1日投句、2月7日選句。

 今月の山崎先生の特選句の句評に「上手い句」と言う表現がありました。
 山崎先生の著書『シマフクロウによろしく』で、「うまい」という項目から引用しますと、<うまいことは大切だ(中略)。ただうまい句が必ずしも読者の心を打つとは限らない。(中略)長い間俳句にかかわっていると、テクニックは当然うまくなる。それと反対に、感受する心は鈍ってくる。そんなとき、強引に力わざで俳句を作ってしまう自分に気が付いて、愕然とする。>とあります。
 山崎先生にしてこの自戒、私たちは技術と同時に感性を絶えず向上させることが大切と云うこちでしょう。

第8回ネット句会(2021年1月) 報告者:蓮尾 碩才

**詩とは何か**

参加者35名、投句数70句、1月1日投句、1月7日選句。

 山崎先生からの講評に「見たものを自分の中でどう変身させるか、それが詩とそうでないものの境目です」との言葉がありました。
 俳句・詩にするためには、赤い花をただ「綺麗に赤く咲いている」としても、俳句・詩にはならない、そこに自分の感性から滲み出る思いもかけない言葉で、読み手の感動を誘うように表現する必要があるのでしょう。しかしこれを実行しようとするのは大変難しい。やはり言葉と感性の蓄積と、それを自分の言葉として表すにはかなりの努力が必要だと思いました。
 皆さん頑張りましょう!

第7回ネット句会(2020年12月) 報告者:蓮尾 碩才

**事柄とは何か**

参加者35名、投句数70句、12月1日投句、12月7日選句。

 山崎先生のコメントの中に「事柄の句」と言う指摘がよくみられますが、「事柄」とは何のことでしょうか。辞書では「物事の内容・模様・様子または、物事そのものを言う」とあります。要するに世の中に転がっている事象ですが、ただそれだけを俳句にしても意味をなさない。その中に詩情が無ければ俳句にならないというここと思いました。

第6回ネット句会(2020年11月) 報告者:蓮尾 碩才

**比喩を活かす**

参加者35名、投句数70句、11月1日投句、11月7日選句。

 詩歌や文章の表現を豊かにする手法に「修辞技法」というのがあります。古くから「文彩」や「言葉の彩」などと言われ、私たちが普段無意識に会話や文章の中で使っているものです。

 その修辞技法の一つに「比喩(ひゆ)」という形があり、山崎先生のコメントは、これをうまく活用すると、俳句の中身が数段良くなると言うことではないでしょうか。

 比喩とは「字・語句・文・文章・出来事・作品全体などの物事を、それと共通項のある別の物事に置き換えて表現する手法である」(出典:フリー百科事典『ウィキペディア』)。

 俳句も読み手にその句を生き生きと実感させるように比喩を使いたいのですが、下手に使うと句意が分からなくなり、やはり相当修練が必要なようです。

第5回ネット句会(2020年10月) 報告者:蓮尾 碩才

**一語一語を適切に**

参加者37名、投句数74句、10月1日投句、10月7日選句。

 山崎先生からいただいた各句のコメントを見ていると、言葉の使い方、選び方がいかに大切かということが理解できました。

 一句の中の何処にどんな言葉を入れるか、「上五又は中七を変えたら良くなる」のアドバイスは簡単なようで本当に難しいと感じました。

令和3年度の新作家・新同人候補の発表 報告者:蓮尾 碩才

令和3年度の新作家・新同人候補の発表!!

新型コロナの感染が心配される中、11月2日(月)響焰の東京句会が開催され、席上新作家候補(5人)と新同人(3人)の発表が米田規子主宰からありました。発表の後加藤千恵子同人会長よりお祝いの言葉と、候補者8名の決意表明がありました。
例年この行事は10月に行われる白秋会の中で賑やかに発表されるものですが、コロナ禍の現在小規模な形での発表になったことは悔しい限りです。皆さんのますますの発展と、来季が賑やかに句会が開催されることを祈ります。