響焰俳句会

ふたりごころ

活動報告
響焰の行事の報告等を掲載しています。

活動報告

第10回ネット句会(2021年3月) 報告者:蓮尾 碩才

**体言の文芸**

参加者37名、投句数74句、3月1日投句、3月7日選句。

 今月の山崎先生が特選句とした句の句評に「俳句は体言の文芸であることを痛感した」とありました。
 体言について先生は「極言すれば、俳句は体言の文学だと云ってよいのではないか。(中略) 用言、つまり動詞、形容詞などは、事柄を説明するためにある言葉である。だから一句の中に用言が多いと、どうしても全体が説明的になる。(中略) 体言、つまり名詞の切れ味を生かす。案外こんなところに俳句上達の秘訣があるかも知れぬ。(『シマフクロウによろしく』から引用)」と言っています。
 しかしただ名詞を脈絡もなく並べても当然俳句にはなりません。そこには何らかの言葉の関連性や適切な助詞の配置が必要になります。季語とあいまって切れ味の良い言葉探しはまだまだ続きます。

第9回ネット句会(2021年2月) 報告者:蓮尾 碩才

**上手い句**

参加者39名、投句数78句、2月1日投句、2月7日選句。

 今月の山崎先生の特選句の句評に「上手い句」と言う表現がありました。
 山崎先生の著書『シマフクロウによろしく』で、「うまい」という項目から引用しますと、<うまいことは大切だ(中略)。ただうまい句が必ずしも読者の心を打つとは限らない。(中略)長い間俳句にかかわっていると、テクニックは当然うまくなる。それと反対に、感受する心は鈍ってくる。そんなとき、強引に力わざで俳句を作ってしまう自分に気が付いて、愕然とする。>とあります。
 山崎先生にしてこの自戒、私たちは技術と同時に感性を絶えず向上させることが大切と云うこちでしょう。

第8回ネット句会(2021年1月) 報告者:蓮尾 碩才

**詩とは何か**

参加者35名、投句数70句、1月1日投句、1月7日選句。

 山崎先生からの講評に「見たものを自分の中でどう変身させるか、それが詩とそうでないものの境目です」との言葉がありました。
 俳句・詩にするためには、赤い花をただ「綺麗に赤く咲いている」としても、俳句・詩にはならない、そこに自分の感性から滲み出る思いもかけない言葉で、読み手の感動を誘うように表現する必要があるのでしょう。しかしこれを実行しようとするのは大変難しい。やはり言葉と感性の蓄積と、それを自分の言葉として表すにはかなりの努力が必要だと思いました。
 皆さん頑張りましょう!

第7回ネット句会(2020年12月) 報告者:蓮尾 碩才

**事柄とは何か**

参加者35名、投句数70句、12月1日投句、12月7日選句。

 山崎先生のコメントの中に「事柄の句」と言う指摘がよくみられますが、「事柄」とは何のことでしょうか。辞書では「物事の内容・模様・様子または、物事そのものを言う」とあります。要するに世の中に転がっている事象ですが、ただそれだけを俳句にしても意味をなさない。その中に詩情が無ければ俳句にならないというここと思いました。

第6回ネット句会(2020年11月) 報告者:蓮尾 碩才

**比喩を活かす**

参加者35名、投句数70句、11月1日投句、11月7日選句。

 詩歌や文章の表現を豊かにする手法に「修辞技法」というのがあります。古くから「文彩」や「言葉の彩」などと言われ、私たちが普段無意識に会話や文章の中で使っているものです。

 その修辞技法の一つに「比喩(ひゆ)」という形があり、山崎先生のコメントは、これをうまく活用すると、俳句の中身が数段良くなると言うことではないでしょうか。

 比喩とは「字・語句・文・文章・出来事・作品全体などの物事を、それと共通項のある別の物事に置き換えて表現する手法である」(出典:フリー百科事典『ウィキペディア』)。

 俳句も読み手にその句を生き生きと実感させるように比喩を使いたいのですが、下手に使うと句意が分からなくなり、やはり相当修練が必要なようです。

第5回ネット句会(2020年10月) 報告者:蓮尾 碩才

**一語一語を適切に**

参加者37名、投句数74句、10月1日投句、10月7日選句。

 山崎先生からいただいた各句のコメントを見ていると、言葉の使い方、選び方がいかに大切かということが理解できました。

 一句の中の何処にどんな言葉を入れるか、「上五又は中七を変えたら良くなる」のアドバイスは簡単なようで本当に難しいと感じました。

令和3年度の新作家・新同人候補の発表 報告者:蓮尾 碩才

令和3年度の新作家・新同人候補の発表!!

新型コロナの感染が心配される中、11月2日(月)響焰の東京句会が開催され、席上新作家候補(5人)と新同人(3人)の発表が米田規子主宰からありました。発表の後加藤千恵子同人会長よりお祝いの言葉と、候補者8名の決意表明がありました。
例年この行事は10月に行われる白秋会の中で賑やかに発表されるものですが、コロナ禍の現在小規模な形での発表になったことは悔しい限りです。皆さんのますますの発展と、来季が賑やかに句会が開催されることを祈ります。

 

第4回ネット句会(2020年9月) 報告者:蓮尾 碩才

**虚実は皮膜の間**

参加者37名、投句数74句、9月1日投句、9月7日選句。

 山崎先生から今月の選句を頂くにあたり「事実を事実として云ってもつまらない。〝虚実は皮膜の間〟が大切」と短いコメントがありました。

 〝虚実は皮膜の間〟とは何か?

 よく理解できないため調べたところ、近松門左衛門の芸術論であることがわかりました。近松は「事実と虚構の微妙な境界に芸術の真実がある。皮膜とは皮膚や粘膜つまり極めてうすいところ、従って虚と実が区別できないところに本当の芸がある」と説いています。

 俳句も同じで、事実を事実としてだけ詠むのではなく、事実と虚実の微妙な間を詠む芸術なのでしょう。(出典:三省堂 新明解四字熟語辞典)

第3回ネット句会(2020年8月) 報告者:蓮尾 碩才

**毎月が俳句コンクールのように**

参加者37名、投句数74句、8月1日投句、8月7日選句。

 ネット句会も3回目となり参加者は、光焰集作家3名、朱焰集作家5名、青焰集作家4名、白焰集作家11名、白灯集作家14名となりました。この多彩な参加者を見ると、ネット句会はまさに『毎月の俳句コンクール』です。

 皆さん練りに練った2句を投句し、厳しい目で選句する楽しくも緊張した句会になりました。

令和元年度白秋会が開催されました!! 報告者:蓮尾 碩才

令和元年度白秋会が開催されました!!

令和元年の白秋会は10月16日・17日に、越後湯沢温泉で行われました。前日からの参加者を含め32人の会でした。

冒頭山崎主宰からの新同人候補の発表と祝辞に続き、句会が開催されました。皆さんそれぞれの思いを込めて投句され、主宰の特選句は下記3句でした。

稔り田のひかりのなかを父と母                     節子

秋日澄む水湧くところ水の神                         博子

東京をはなれところどころに秋                     智子

 

料理と酒とカラオケそして温泉を楽しみ、翌日は午前9時から第2回目の句会です。初日とは趣の違う句や前夜の袋廻しの成果を含んだ秀句が多く出ましたが、主宰の特選3句は下記の通りでした。

鰯雲時間まっすぐ越後路へ                            智子

川上に川下にまた霧ふかし                            久

トンネルと夜行寝台里の秋                            レイ子

 

12時に全ての行事が終り、真直ぐ帰る人、吟行を続ける人、お土産を探しに行く人に別れて解散しました。